妹よ 中原詩集「山羊の歌」より 松山晴介 Seisuke Matsuyama

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概要

高校時代の私は、音楽を自己の証としてとらえ、正に中原中也が詩にかけたのと同じほどの情熱をかけて生きていたつもりです。そして無知無学の塊であった私はとりあえず何人もの詩人の詩集を手にしましたが、私にとっては中原中也がもっとも強く魅かれた詩人でした。

 自分の曲を書き貯める一方で、私は中也の詩を何度も読み、曲をつけようとしました。最初に曲をつけた「妹よ」は、私にも妹がいて、思い入れがあって満足のいくものもあったのですが、「失せし希望」とか「骨」など、目についた詩に曲をつけようとしてもうまくいきませんでした。そこでこの作業は焦らずにやろうと決心し、とりあえず彼自身の研究に入りました。全集を手に入れて日記から散文に至るまで読んだ訳ですが、はっきり言って理解できないことが多かったのです。しかし、たぶん私はそんな中で彼の詩にかける情熱を感じ取っていたのだと思います。

 この曲が思いの外よくできたので続ける気になったのも確かなことです。といってもこの詩は中也にしては判りやすい部類に入るもので、私は「正当=あたりき」という言葉にジンとくるものがあるのですが。

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