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概要
山城町上狛、浄土宗僧侶、法蓮寺の山本空外和尚(哲学者・書家)さんと湯川秀樹(ノーベル物理学者)さんとの懐かしい青木さんの思い出話「パート1」である。
思想哲学者の山本空外和尚は、原子爆弾を開発したアメリカのオッペンハイマー博士と、日本初のノーベル賞を受賞した湯川博士から、「自分を弟子にして下さい!!」と懇願された方である。この世界に冠たる思想哲学者山本空外和尚は、日本が世界に誇り得るただ一人の哲学者。レーガン前大統領が「大自然の妙有に生きる東洋の大哲人」と礼賛し、先生の書を懇願入手した話は有名である。
山城郷土資料館の前庭脇に空外という地元の書家の筆跡による万葉歌碑が立ち、その碑には、
・狛山(こまやま)に 鳴くほととぎす 泉川 渡りを遠み ここに通はず
田辺福麻呂(たのべのさきまろ) (「万葉集」巻六・1058)
と記されている。この歌は、木津町鹿背山と山城町上狛の狛山を対岸に望んで南岸から詠われている。恭仁京と木津とを隔てる自然物の景観地であった。
<山本空外さん略歴>
山本空外(本名・幹夫)哲学者、浄土宗僧侶、書家として有名。1902年生れ。東京大学文学部哲学科卒。1929年広島文理科大学助教授で欧米留学。
二年半のヨーロッパ留学にフッサール、ハイデッガー、ヤスパース等西洋哲学権威と親交。1935年弱冠三十二歳にして東京大学で『哲学大系構成の二途――プロティノス解釈試論』により文学博士号を受章。
1936年から広島文理科大学教授を勤め原爆に遭い、その秋 出家し僧籍に入り1953年京都府山城町法蓮寺住職となる。その間1966年定年まで広島大学教授。島根県加茂町隆法事住職も兼任し同地に財団法人空外記念館を1989年に開設。2001年8月7日九十九歳で遷化。空外和尚は日本より外国で有名な人、日本では世俗的な名誉は望まれなかった。
空外先生の弟子である巨榧山人こと品川高文師の本『空外先生外伝』から面白いエピソードがある。
東京サミットの際に、時の中曽根首相はレーガン大統領からの土産品の要望に「空外の作品を所望」とあったが、誰に聞いても知る人がないので困惑していた。空外記念館のある関係から蔵相の竹下登が知っていることがわかり、ツテを頼って空外先生の「歓喜光」の三字の書を揮毫してもらい面目を保ったという。品川師の本にはオッペンハイマーや湯川秀樹、小林秀雄、魯山人、柳宗悦などが畏敬して教えを受けたという。
YouTube動画② http://youtu.be/jP3OEsrPxxc
YouTube動画③ http://youtu.be/kMbgU8ZyiJs
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