ビデオ
概要
大塚の町で生まれ育ったのですが、その町を隅から隅まで知っていた訳ではありません。中学生くらいになると私はよく散歩するようになりました。確かに町の路地を訪ね歩くのは様々な印象が浮かんできて楽しいものだったし、古本屋や珍しい店なども発見できて世界が広がるようでした。
下宿生活は主に練馬中心でした。そこで私は何かと歩き回っていたのです。特に最初の下宿先だった豊島園の裏から練馬までの裏道の発見は楽しいものでした。といっても、そういう町に感じる生活感を寂しい気持ちで見ていたのです。夜中に学校の崖に登って下の小さな家の窓明かりをぼんやり眺めていると、その部屋で生活している家族の姿が見えるようで羨ましい気持ちで眺めたりしていました。
ある夜、学生運動に首を突っ込んでいる友達が泊まりにきて、私はその裏道に誘いました。そして延々と歩き回り、疲れて例の崖に座ってボンヤリ話をしていました。その時満月が出ていて、その月がとても優しい感じがして、私は一人センチメンタルな気持ちになっていました。この唄はその時にできた唄なのです。
チャンネル
チャンネル:harrygws
関連
ハリー山科