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概要

「にくまれっこ」や「姉や」を書く上で影響を受けたのはやはり「中原中也」でしょう。そして彼の詩が最初から理解できた訳ではなく、「妹よ」という一編が最初に私の心を掴んだのです。実際私にも妹がいて、彼女に対して何もできない自分をどこかで責めていました。その詩に広がる情景が私の心にいつも鮮烈にありました。「姉や」のいなくなった野辺も同じ情景なのです。そしてその情景から幾つかの連作を作ったのですが、この曲はその一つです。他の曲はほとんど失敗作で録音はしていません。
　この頃から次第に私の作風はストレートになっていきます。しかし再び心象風景の世界へと戻っていきます。この頃の私は自分の心にある風景の中にしか安らぎを感じなかったのです。

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